寒波と二日酔い/ただのみきや
たものも
発見 喪失 ゆえの茫然
ありありとぼやけてゆく
印象は余韻を引き黙ったまま
朝の公園
血袋を羽毛で包み隠して
鳥は翻る
取り立てに鐚一文払わずに
啄むものを探しながら
朝の瞳の中を泳いでいる
建物の影に飲まれて
己の孤独と向き合うこともなく
若木は裸のまま
微睡みの中にいる
内に巡るしめやかな衝動に欹てて
雪化粧したベンチに人影はなく
ベンチ自体がいつも同じ時刻
決まって同じ場所に座る男のように
姿勢を変えずに広場を眺めていた
日向と日陰で区切られた舞台
夜の切れ端がふわりと降り立つ
沈黙の間合い 小首を
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