まるでうまくいかない/ホロウ・シカエルボク
ってみるとそのひとつひとつに死体が打ち付けられてあった
あらゆる体毛が剃られていた
そのせいで塗装を失敗したマネキンが並んでいるみたいに見えた
十字架にはひとつだけ空きがあった、おれのせいだ、とおれは考えた
ここへ連れてこなければならなかったのだ
細く、背の高い男がどこからか現れて近寄ってきた
ごめんよ、とおれは詫びた
かまわない、と男は小さなかすれた声で答えた
「どちらにせよそれは現象に過ぎない」
おれはやれやれというように首を振って見せた
男はそんなおれを注意深く見つめていた、それから、難しいのか、と聞いた
「ーなにがだ?」「そんなふうに生きるのは」
生きることに簡単な
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