刈り込みと冬/道草次郎
しするとまた囃し始めた。仕方ないので、放っておく。放っておくと、やつらもそれが分かったようで、いよいよ騒がしくなる。どうしたことか、柿の実も既に無いし、やつらは枇杷の木の上でいったい何をしてるのだろうか。自分には計り知れない何かが、もしかしたら冬が?やつらを急き立てているのかも。
ところで、本当は、両腕を使う長刃の刈込みバサミはなるべく使いたくはない。疲れるし、心臓の具合だってまだあまり良くはないからだ。でも、やっぱりそれがけっきょく一番小回りがきくし、扱いやすいので気付くといつも頼ってしまうのだ。新しい道具を用途に分けて上手く使いこなすことができた事はたぶん一度もない。いつも、使い慣れたも
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