人間アレルギー(短編小説バージョン)/月夜乃海花
いるからだ。親や人からどういう扱いを受けていたかを見続けてきたのだ。幼馴染という名目で。
「わかんない」
「もうわかんない」
その場でまた私は泣いてしまう。何でコイツはいつもこうなんだろう。正しいのに槍のように心に刺さってくる。
「俺に任せてくれないか、今までずっとお前を見てることしかできなかったから、今度こそ助けたい」
「助ける?」
「俺、ずっとお前のこと好きだったんだよ、人としても女性としても、きちんとした表現は出来ないけれど大切な人だと思ってる。だから、お前を簡単には見捨てないし、見捨てられない。」
手が震える。私のことが好きだった?この私を?どうして?気づけば無意識に病院名を
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