人間アレルギー(短編小説バージョン)/月夜乃海花
。私だけ他の人間と違う世界で生きているのかもしれないと感じるようになった。まるでディストピアな世界に独り閉じ込められたように感じるのだ。寂しさとは違う悲しさを覚えるようになった。
ある日、そういえばと思い、唯一の実在の友人に連絡してみることにした。
「久しぶりだね、あのさ、私『人間アレルギー』になったみたい。」
病のことを正直に伝えてしまった。彼は私の症状を見ているし、直感的に隠せないと感じたからだ。
「人間アレルギーってなに?どういうこと?最近、連絡来ないから少し心配してたよ」
「うまく言えないんだけど、人と話したり触れたり酷い時には声を聞いただけでアレルギー症状みたいなものが出ちゃう
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