母が壊れてしまったあの日から/
 

?

それから、車が戻って来る音が聞こえるまで、実際には数十分というところだっただろうが、自分には本当に長く感じられた。
ひとまずの無事を知り、私はほっとする一方で、これから先を想像して恐怖を感じていた。
いったいどう母にどう声をかけ、どう接したらいいのだろう。


降りてきた母は呆然とした顔で、私と向き合った。
そして、「死にきれなかった」とぽつりと言った。




・全部嘘だった

?
ここからの記憶は自分でも驚くほどに曖昧で、おそらく今の私が勝手に作りだした事実と異なる記憶もあるように思う。
しかし、

「私が全て悪かった。全部嘘だった。お父さんも
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