母が壊れてしまったあの日から/
 
遅延によって予定より大幅に送れて帰宅した私は、とにかくへとへとに疲れていた。
母の様子は気にかかったものの、できるだけ早く横になりたい。
実に適当にシャワーを浴びてベッドにもぐりこむと、あっという間に眠りに落ちていった。
馬鹿みたいに深い眠りだった。



翌朝、起きてきた私の顔を見るなり母は「死にたい」と言った。

正直に言って「また始まったか」と思った。
母は少し前から鬱的な状態になることが多々あり、私はこういった発言にはもはや慣れっこになっていた。

適当にテンプレートのような慰めの言葉を口にし、ひとまず母が落ちついたのを確認してから学校へと向かった。

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