S氏の記録(短編小説)/月夜乃海花
 
分の中で何かが破裂したようでした。肺の中の嚢胞が破裂し続けるように周りの人間がのっぺらぼうであることを伝えました。気づけば、電話は勝手に切れていました。ああ、やってしまったと後悔しました。いつもこうなんです。時々、何かが引きちぎれて、そのまま汚い言葉や思想が零れて人にぶつけてしまうんです。また、やってしまった。とあの日はずっと泣き続けました。その後、数日は何もしませんでした。確か、あの頃そういえば夢を見ました。人がレールに寝そべっているのです。するとレール近くの兵士が合図をします。レールの人はそのまま、焼却炉に入って真っ黒ののっぺらぼうになるんです。そして、『これで何も考える必要もなくなった』、『
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