S氏の記録(短編小説)/月夜乃海花
っと、俺はついに頭がおかしくなったんだと病院に行くことにしました。でも、案の定、看護婦も医者も同じことを言います。『貴方は疲れてるから休みなさい、休めば治りますから』、俺は疲れてませんし、強いて言うならお前らが同じだから疲れるんだと言いたいのをぐっと堪えて処方された薬を飲みます。それでも、人はのっぺらぼうじゃないですか。しばらく、誰の顔も見たくないから部屋から出るのを辞めました。ネットでSNSでもずっと見ていようと思ったんです。そしたら、面白いことに同じ話題に同じ反応をして台詞がのっぺらぼうだということに気付きました。ネットでは文章しか見えないから楽だと思ったのに、逆効果でした。気持ち悪いくらいに
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