詩の日めくり 二〇一四年十一月一日─三十一日/田中宏輔
市場には足を運ばなくなった。きょう、武田先生に、錦市場のなかにある居酒屋さんに連れて行ってもらったのだ。以前は、そんな居酒屋などなかったのであるが、魚介類を目のまえで網焼きして出してくれる店が何軒もできていたのだった。錦市場の様子が、30年前とは、まったく変わっていることに驚かされたが、驚くことは何もないと、いまこの文章を書きながら、ふと思った。30年もたてば変わって当たり前だ。父親によく連れて行ってもらった喫茶店の「木下」もとっくになくなっていた。
二〇一四年十一月二十三日 「アスペルガー」
いま塾から帰ったんだけど、帰りに五条通りの北側を歩いていると、向かい側から素朴系の口髭あり
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)