詩の日めくり 二〇一四年十月一日─三十一日/田中宏輔
あると思って、最初に8000円の金額でオークションをはじめさせているのだから、ある程度の知識がある人物だと思う。その翻訳が本物かどうか、本文を見ればすぐにわかるはずなのに、それを避けた回答をしてきたので、このような質問を再度したのだった。なにしろ浪速書房の本である。山形裕生さんの『ソフトマシーン』の訳本の後書きでは、それは冗談の部類の本だと思われると書かれている本である。
回答があった。
第一章ニューヨークへの道 一九六四年から五年にかけての、ニューヨークの最大の話題は、ニューヨーク世界博覧会が開かれたことである。私、ウィリヤム・バローズは、パリのル・パリジャンヌ誌特派員として、こ
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