詩の日めくり 二〇一四年十月一日─三十一日/田中宏輔
う。
波の足と波の足がサッカーしてる。
ぼくを静かに置いて眺めることなどないのだろうか。
なにものも
ぼくを静かに置いて眺めてはくれそうにない。
生きているかぎり
ぼくはほうり投げられ
けりまくられなければならない。
それでこわれるぼくではないけれど
それでこわれるぼくではないけれど
それでよりつよくなるぼくだけれど
それでよりつよくなるぼくだけれど
生きているかぎり
ぼくはほうり投げられ
けりまくられなければならない。
二〇一四年十月十六日 「卵」
万里の長城の城壁のてっぺんに
卵が一つ置かれている。
卵はとがったほ
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