スノーディストピア 〜穢れた民の逝き道〜(短編小説)/月夜乃海花
塔の中心部では一般民が、その下ではソルディモという民族と呼ばれる人間たちが暮らしている。ソルディモは雪エネルギーの管理を行なっている。溶かした雪は全てソルディモの住む塔の底の穴から出ていく。溶かした雪は真っ白な雪とは異なり、ヘドロのような色をしており、まるで毒のようだった。それらを扱うものは自然と穢れを扱う者「ソルディモ」と呼ばれるようになった。一方、ソルディモに対して一般人は上の民とソルディモから呼ばれていた。
雪が止まらなくなった世界には朝は来ない。常に雲が覆っており、暗い世界を静かな太陽色の電灯で照らしている。その中、ソルディモの少年ナディエは走る。
「遅いぞ、糞ガキ!」
職場に着く
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