詩の日めくり 二〇一四年九月一日─三十一日/田中宏輔
 
ているようだが、みんな生きるために死んでいるのである。

二〇一四年九月十日 「尊厳詩法案」

 今国会に、詩を目前にして、なかなかいきそうにないひとに、苦痛のない詩を与えて、すみやかにいかせる、という目的の「尊厳詩法案」が提出されたそうだ。

二〇一四年九月十一日 「チュー」

 けさ、ノブユキとの夢を見て目が覚めた。ぼくと付き合ってたときくらいの二人だった。ぼくの引っ越しを手伝ってくれてた。あと3年、アメリカにいるからって話だった。じっさい、ノブユキは付き合ってたとき、アメリカ留学でシアトルにいた。シアトルと日本とのあいだで付き合ってたのだ。ぼくが28才と29才で、ノブユキは2
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