命焔屋 〜蝋燭の焔の魂〜(短編小説)/月夜乃海花
 
故かお主らも同時に倒れていた。」
「どういうことですか?」
「これも見た方が早いかの。」
また老人に案内される。部屋を出て、廊下を歩く。最初に自分達がいた部屋を通り過ぎ、ただひたすら歩き続ける。廊下に自分たちの足音が響くだけだった。
しばらくするとこの古い廊下には似つかわしくない豪奢な重そうな扉が現れた。老人は軽々とその扉を開ける。

扉を開けるとまるで数え切れない螢が居るようなあまりにも色鮮やかで目がおかしくなりそうなほど、眩しかった。よく見るとランプや床から蝋燭が生えている。
赤、青、黄、緑、紫、それ以外にも表現し切れないような色の焔が揺らめいていた。
「こ、これは。」
「こ
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