命焔屋 〜蝋燭の焔の魂〜(短編小説)/月夜乃海花
いはずなんですけどこの食べ物は普通の肉というか野菜というか、何なのでしょう?」
「そうじゃな。強いて言うなら、肉と野菜の死骸、魂じゃな。」
「また、魂ですか。」
「そうじゃ。人間たちに残されたり、意味もなく殺された動物たちの肉じゃ。こうして、我々が食べることであやつらは満足して旅立っていくのじゃ。」
命は軽く扱って気づけば重いものだと気づく。それが人間の愚かさでもあり、美しさだと思った。
「ところで僕はどうやったら、その成仏できますか?」
「それがの。ワシにもわからんのじゃ。」
また沈黙。子犬は相変わらず尻尾を振っている。
「普通、此処には蝋燭の炎が増えているんだがの。今回は何故か
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