命焔屋 〜蝋燭の焔の魂〜(短編小説)/月夜乃海花
 

「あの、こんなに大量には食べられないというか……。」
思わず本音を言ってしまう。
「そうかの?無理して食べんでも良いぞ。人間の身体に合う量をあまり覚えておらんからな。」
そういうと、老人は目の前の骨付き肉を口で千切って食べ出した。
とりあえず、野菜のスープを飲んでみることにした。とても暖かくて優しい味がした。ちょうど近くに小さい皿があったので子犬にも与えることにした。子犬はガツガツと老人並みにスープを飲んでいる。余程、空腹だったのだろう。
そうして、食事は終わった。
「ごちそうさまでした。」
「そうじゃの。命は大事じゃからの。」
「ちなみに一応なんですけど、僕って生きてないは
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