命焔屋 〜蝋燭の焔の魂〜(短編小説)/月夜乃海花
 
いると言われるのが不思議でたまらない。
「もし命焔屋さんが良いというのなら。」
「なら、ワシについてきなさい。その子犬も一緒にな。」
子犬を抱っこしながら、部屋を出て廊下を抜ける。廊下は古い屋敷のようでもあり、ログハウスのようでもあり、あと少しで水漏れでもしてしまうのではないかという古さがあった。
「そこの席に座りなさい。」
老人に案内された部屋は暖炉があり、何処かの冬の森の奥にありそうな小屋のようであった。
テーブルと小さな椅子があるのでそこに座る。
すると、様々な料理が出された。小さめの手作りパンから大量の野菜とウインナーが入ったポトフ、謎の骨つき肉。クリスマス以上の豪華さだ。
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