命焔屋 〜蝋燭の焔の魂〜(短編小説)/月夜乃海花
 
ンプのようだ。
「ここでは焔になっている魂を管理しておるでの。」
「焔になっている魂?」
「そうじゃ。普通、命を持ったものが身体を失うとそのまま何処かに往くのじゃが、たまにここに彷徨うものがおる。こうして、蝋燭の焔になっての。」
「ということは、僕はもう生きては無いんです、ね。」
「そうじゃの。」
「きゅーん。」
子犬は尻尾を振っている。
「ちなみにその子犬の焔もお主のランプの中で燃えているのぉ。」
よく見るとランプの中には普通の蝋燭のような赤と青色が混ざった焔の横に黄色の焔、少し小さめな蝋燭が見えた。
「そっか……。」
そうだった。僕は慌てて、車に跳ねられていた。子犬さえも
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