『終わらない黄昏』掌編/道草次郎
 
哲学に於いて語りうる語の限界の把握を試みたり、パラメタフィジカル傀儡論やアルファ論理学や神秘並行論や虚数礎石学を創始したり、そんなことがどうも自分たちのすることだと思っている。

これこそがまさに彼らの停滞とそれに連なる退行の印であるのだが、尤も我々の責務はそうした若い種族の遺す遺物を順次、第53次元宇宙系のパラ2188ユニバースの辺境超精域にある博物星へ位相転移させることなのだ。

つまり我々は死んだアルカディアへの使徒、或いは憂鬱な考古学的原子核外縁素子とも言える。

先般通過した薔薇色の平原が延々と続く虚惑星や、龍獣というおそろしい化け物が蠢くシリコン海の中星、敷き詰められた菌状
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