『終わらない黄昏』掌編/道草次郎
いることに、彼ら自身、全く気付いていないというのも彼らの幼さの現れだろう。というよりも彼らが我々であり我々が彼らなのだ。そういうことは、もう随分前、かかる因子宇宙の原始星が暁光の輝きを放った時点に於いて全て明白なものとなったのだ。
我々が古いと言ったのは、それは我々が時間的なスケールにおいてそうなのではなく、我々の存在様態の起源がそもそも宇宙の起源と同根だからに由来する。見たところ、彼らはここ数千年、いや数万年進歩が全く無いようだ。彼らは進歩とは何かを知らないらしい。
つまらないシャトルを飛ばしたり、新しい分子構造を見出したり、銀河系の地図の作成に着手したり、それだけではない、分析哲学
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