『終わらない黄昏』掌編/道草次郎
星の地脈が決めることだからだ。
調べによると、脆い内燃機関は年代記を書いていた。つまらない年代記である。しかし当人たちにとっては全くつまらなくは無く、むしろ神聖だった。
最近の年代記で殊に見受けられるのは、ぽっと出の霊長類の行いについてである。例えばそれは、温室効果やガンマ線バーストや第六回目の大量絶滅やらそんなささいなことを世界の終焉などと彼ら(脆い内燃機関と呼ぶのはさすがに面倒だ)は呼んでいた。なるほどたしかに彼らは、その幼年期にすら達していないようだ。
我々は古い種族だから、彼らのように若い種族の思考がよく分からない弊はたしかにある。しかし我々が彼らの中にすでに巣食っている
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