詩の日めくり 二〇一四年八月一日─三十一日/田中宏輔
て書かれた詩があった。永遠は瞬間のなかにしかないと書いていたのは、ブレイクだったろうか。彼が帰ったあと、瞬間について考えた。瞬間と時間について考えた。学ぶことは驚くことで、学んでいくにしたがって、驚くことが多くなることは周知のことであろうけれど、やがて、ある時点から驚くことが少なくなっていく。ぼくのような、驚くために学んでいくタイプの人間にとって、それは悲しいことで、つぎの段階は、学ぶこと自体を学ばなければならないことになる。そのうえで、これまでの驚きについても詳細に分析し直さなければならない。なぜ驚かされたのかと。その方法の一つは、単純なことだが意外に難しい。多面的にとらえるのだ。齢をとって、い
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