一番星・オメガΩ その他/道草次郎
ウガメが
悠然と渡ってきて
目の前で卵を三つ
産みおとしていった
ヤシの木にそよぐ
南洋の風と
朝霧のなか出荷を待つ
高原レタスと
18世紀の街はずれの
バスチーユ牢獄と
禾偏も示偏も
にすいもさんずいも
粉々にくだかれ
もう間もなく
クリスマスツリーに飾り付けられていく
きらきら星の歌や
かけあしの三歳児とともに
もうじき来るものを凌ぐために
赤はブルーにみずからを溶かすだろう
頭蓋内のなだらかな丘陵に
陽をもたらすのは
外科手術の他は無いと
あなたは言い切った
情緒やへったくれを
掴んだ子のように日々は走って暮れるから
ぼく
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