一番星・オメガΩ その他/道草次郎
ぼくはあれから
道に迷ってばかりいる
希望の脚に
まあ湿布は貼るよ
生活のため鍬を振り下ろすとき
木の葉が舞って
一文の値打ちとは何かを
この冬がおしえる事だろう
それが
ぼくには分かる
「インカの碑文」
ねむりたい
ねむりの先にある怠さのことは知っている
そしてその他もろもろの寝てはいられない理由はあるにはあるが
ねむりたい
この一念はどうしたものか
昔何かの本で引用されていた古代インカの碑文に記された詩
それに
こんなようなのがあった
「惰眠を貪る為に我らは生まれたのか/否、ちがう」
インカの文明に文字は無かったような…だ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)