一番星・オメガΩ その他/道草次郎
ィッシュの箱が数センチ動く
ふと 気づく
自分が呼吸をしている事に
どうしよう
と 思う
これはたいへんな事だ
と 固唾をのむ
暗闇で
ティッシュの箱が笑っている
神も仏も逃げ出して
ドラマチックなものはみな
井戸に落ちてしまった
取り残されたのは
誰だったか
ひとり広大な場所で体育座りをして
珪素生命体は
孤独にもえている
くれないに
ポッカリと空いた 永遠
宇宙大の惑星の地平線へ
巨人の黄金の脚が
のたうっているのが幻視(み)えた
「冬の焦慮」
横断歩道を
ガラパゴスゾウガ
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