ぼろぼろの身体と心の独白/道草次郎
にこちらもおなじように縋り付いてはまた互いにズタズタになる
けれども林檎の葉の紅葉は今年はなんでこんなに綺麗なんだろうと思う
雪をかぶった飯綱山や北信五岳や近場の山の景色はなんでこんなにも鮮やかなのだろうと思う
俺は俺の書いたものを読み返したけれど
ほんとうにたしかにあれは俺だったけれど
全部燃やしても充分いいものでもあると思った
下らないとか下手だとかつまらないだとか稚拙だとかいうのじゃなくて
あれらは本当になんでもないものだった
そして今こうして息を吸って吐くことよりもその文章が何かのためになっているとは全く思えない
俺はたしかに自分の力のかぎりやった
俺はもともと
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