栗のスープ/ふるる
 
なく
日が落ちれば
生きる仕事はとりあえずこなしたといえる

身体は老いの盛りの登り坂
中身はがらがら
焦りや不安がいまだに寄りそって
欠けた茶碗が気に入っていて捨てられない

笑い
泣くたびに
激しさはなくなりほわほわと幼子の髪のよう
小さな君が何かよく分からないものをプレゼントしてくれて
分からないなりに嬉しいことが嬉しく
熟練の技という感じ
生まれて初めて生の栗から、
モンブランを作ってみた
ゆでて、くりぬいて、混ぜて、木べらで裏ごしして
こんなに頑張ったのにまだ
木の実の味しかしない
ラム酒を入れてやっとモンブラン
あの味ラム酒だったのか
買いす
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