栗のスープ/ふるる
いつしか、
日は暮れていて足元は寒くなった
ももに置いた手は静かに落ちた
しばらく眠っていたらしく
目の前で遊んでいた子たちも
いなかった
こうして一人の時間が増えたかわりに
雨や落ち葉が隙間を埋めに来る
なかなか上手くできていて
窓辺に座って黒ぐろと光るカラスを見たり
夕陽を薄い頭で受けたりして
退屈はしていない
ほとんど何も考えずに夕食の支度はできる
毎日作っている
気がついたらできていることもある
少なからず
できる料理は増え
ケチャップやマヨネーズなど足してみては
やめてみたり
来る日も来る日も不足のことで困るけれど
劇的な変化や改善策はなく
[次のページ]
戻る 編 削 Point(9)