苔生した遺跡群の中の「SF(サイエンス・フィクション)」/道草次郎
。映画『スター・ウォーズ』シリーズのオープニングで奇しくも、こう語られているように。
「A long time ago in a galaxy far, far away....」
「遠い昔、はるか彼方の銀河系で…」
それはプラトンの中に芽生え、カンパネッラに兆し、ヴォルテールそのものでもあったかも知れない。だが、そうであると同時にそれらのいかなる思想ともことなる突然変異の祝祭であったかも知れない。もしくは、SFはただラスコーの壁画である自分を、太古の茂みの中に隠そうとしていただけなのかも知れない。
それは隕石の思い出による集積回路であり、宇宙ひものつくため息を吸う海綿だったろ
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