詩の日めくり 二〇一四年六月一日─三十一日/田中宏輔
のか。作者の中になど、存在してはいない。では、言葉はどこで、なにをしているのか。言葉は、作者のこころの外から作者に働きかけ、自分自身と他の言葉とを結びつけているのだ。
折り畳み水蒸気
いま、ふと、ぼくのこころの中で結びついた言葉だ。ところで、作者が誰であるのか、ぼくには不明な言葉がいくつかある。どこかで見た記憶のある言葉なのだが、それがどこであるのかわからないのである。詩人か作家の言葉で見たような記憶があるのだが、その詩人や作家が誰であるのか思い出せないのである。その言葉が、どの詩や小説の中で見かけた言葉なのか思い出すことができないのである。
そして誰もがナポレオン
[次のページ]
戻る 編 削 Point(15)