詩の日めくり 二〇一四年六月一日─三十一日/田中宏輔
 
いない。日常語で詩を書くことは、至難の業なのだ。

二〇一四年六月十二日 「膝の痛み」

 左膝が痛くて足を引きずって歩かなければならなかったので、近くの市立病院に行って診てもらったのだけれど、レントゲン写真を撮ってもらったら、右足の膝の骨が奇形で、体重を支えるときに、その骨が神経を刺激しているという話で、なぜ右膝の骨が奇形なのに、左膝が痛いのかというと、右膝をかばうために、奇形ではないほうの左足が負担を負っているからであるという話だった。これまでのひと月ほどのあいだ、歩行困難な状態であったのだが、そのときに気がついたのは、足の悪いひとが意外に多いなということだった。自分が膝を傷めていると
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