詩の日めくり 二〇一四年六月一日─三十一日/田中宏輔
。本来、詩には、意味内容などなくてもよいのだ。俳句や短歌からフォルムを奪えば、いったい、なにが残るだろうか。おそらく、なにも残りはしないだろう。詩もまたフォルムを取り去れば、なにも残りはしないであろう。
二〇一四年六月十一日 「ホラティウス」
古代の詩人より、現代の詩人のほうが実験的か、あるいは知的か、と言えば、そんなことはないと思う。ホラティウス全集を読むと、ホラティウスがかなり実験的な詩を書いていたことがわかるし、彼の書く詩論もかなり知的だ。現代詩人の中で、ホラティウスよりも実験的な詩人は見当たらないくらいだ。そして、エミリ・ディキンスンとホイットマン。このふたりの伝統に対する反
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