詩の日めくり 二〇一四年六月一日─三十一日/田中宏輔
の景色ってのは
どこにでもあってな
というのも、箱舟がそばを通り過ぎるときにはな
箱舟のそばを通り過ぎないところなんてものは
どこにもなくってな
おれは酔っぱらいの汚らしい詩人の王なんだぜ、
ヨナタンよ、
プラトンが悪夢のなかで見たこと
裸で踊りながらな
このぱっくり口を開いたデコボコの穴のなかでな
そいつが力なんだ。
おれは、おまえがいなけりゃ、ただの裸の男だ、
詩じゃないぞ、ただの王なんだ。
ヨナタンよ、そいつが力というもので
おれは、そいつを憎んでる。
おまえの父親が、そいつをどういうふうに扱ったか、
おれに言ってみてくれ。
そして、なんで、おれが、
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