神聖なる合コンの話 (序 その一)/道草次郎
かティーをおもむろに飲みながら、本の話に花を咲かせたといえば聞こえはいいが、じっさいはいわゆるお持ち帰り目当ての男もいくらかは居たようだった。その頃のぼくはそんな事にはまったく無頓着で、ただひたすらに誰か女の人と本の話をして、あわよくばその流れでお付き合いができたなら、ぐらいにしか考えていなかった。ある意味その場に一番居てはいけない青年だったのかも知れない。合コンの神聖なる原理原則を真っ向から無視することが、不純であればの話だが。
ぼくは、自分が持って行った本をついさっきやっと思い出す事ができた。それはサイエンス・フィクションだった。しかも、かの有名なカトリック系土着天衣無縫作家のR・A・
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