彼は十代が終わりに差し掛かる頃に/こたきひろし
彼は十代が終わりに差し掛かる頃に
初めて
お酒と女性が売りの店に入った
入口の重たげな扉は引いて開けると鈴が鳴る仕掛けになっていた
照明が落とされて暗くなってる店内には
酒の匂いと酒を呑む客達の吸うタバコの匂いが入り混じっていた
接待する女性と
接待される男性客の声が暗い店内を占領していた
換気の行き届かない空気と光を抑制された空間は何処か隠微でそこに湿った黴の匂いのようなものが入り混じっていた
初めて体験する場所に
彼は少なからず緊張し少なからず興奮を覚えながら店内に目を走らせた
いた
彼女を見つけた
昼間見ている彼女は清楚な身なりをして大人しげな雰
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