こぎつねとまんまるお月さま(童話)/月夜乃海花
 
いるのです。
「わぁ、すごい!でも、これはなんなんだろう?」
こぎつねは昔、母さまからあるお話を聞いたことがありました。

「にんげんという怖いどうぶつがいるのよ。」
「そうなの?どんなどうぶつ?」
「すごく大きくておうでが長いのよ。おあしも長いの。」

こぎつねには全く想像がつきません。そもそも、うでとはなんなのでしょうか?あしとはなんなのでしょうか。こぎつねには大きいということしかわかりませんでした。
「さてはおまえ、にんげんだな!」
こぎつねはきいきい!と鳴きますがお月さまは何も言いません。
「ぼくと母さまのおうちはわたさないぞ!ぼくだっておうちくらいまもれるんだ!」
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