あと3時間で死にますので、その辺よろしくお願いします。(短編小説)/月夜乃海花
 
を飲み干してしまった。
「随分と品のない飲み方をするのね。知らなかったわ。」
光希は少し驚くもののまた無表情へ戻る。
「光希はさ、信じてる?俺たちがあと何時間かで死ぬってこと。」
「そうね。」
「この状況がおかしいとも、何とも思わないのか?」
光希はしばらく遠くのカウンターを眺める。これは彼女が何かを言おうとしている証拠だ。光希には考えるときに遠くを見る癖がある。
「おかしいといえば、そうね。可笑しいね。」
クスクスと笑う光希。久々に見た笑顔のように感じる。
「人間があと数時間で死ぬって言われて、まるで映画みたいよね。でも、私は本当に死んだら面白いとさえ思っているの。ほら、周りの
[次のページ]
戻る   Point(4)