ほんの、少しだけ濡れた/ホロウ・シカエルボク
 
までだ、それだけ生きたら人生は欲しがるものではないと理解出来る、無造作に投げ込まれた世界だ、あれこれと意味をつけても仕方のないことの方が多い、人生は街の下を流れる日の当たらない川さーこれは絶望ではなく、諦観でもなく、ましてや自暴自棄なんてものではない、現実ってもんをしっかりと把握している、俺はそう思ってる、そこについてはもう余計な感情なんてまるでない、それは勝手に流れていくものだから…塞がれてるんじゃ流れを見つめることもままならないしね…俺は疲れていた、取るに足らない疲れだったが、今夜はそれがなんだか腹立たしかった、あの、ジャングルブーツの女みたいに、なにかに当たることで消化出来るようなものではな
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