僕と誰かの狂詩曲(ラプソディー)/月夜乃海花
 
1人が泣き出した。
「だって、もうパパもママも居ないよ。みんなあそこだよ。」
その少年は海を指差した。


「冷たくなって、死んでいくんだ。母さんも父さんも死んだんだよ。」
泣きじゃくる少年。
「そうじゃない!母さんも父さんもまだ見つかってないじゃないか!言ってただろう!神様を信じなさいって!そうしたら、救われるって!」
「もう嫌だよう、おうちかえりたいよぉ。」
金属と塩辛い水の中で響く泣き声。


「手を繋ごう。みんなで抱き合おう。そうしたら、温かい。大丈夫。にいちゃんがみんなを守るから。」そう言うと子供たちは体を抱き寄せた。身体はみんな骨が目立ち、命の灯火も僅かに揺
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