僕と誰かの狂詩曲(ラプソディー)/月夜乃海花
 
が当たり前だと思っていたのです。」
顔は見え無いものの、涙が溢れているように見えた。


「決して不幸になんてならない。私はそう誓いました。そして、愛する人を見つけたのです。絶対に幸せになれると確信していました。それでも、私は気付いてませんでした。その愛する人は男では無く、女だったのです。」


「『婚姻は出来ない。ずっと隠していて悪かった。済まないことをした。』それがあの人の最期の言葉でした。次の日、あの方は首を吊って亡くなっていました。性別なんて関係ありませんでした。例え、父に反対されようと何だろうと幸せになれる、ただ信じるしかありませんでした。きっとその『幸せにならねばなら
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