僕と誰かの狂詩曲(ラプソディー)/月夜乃海花
 

撃たれた男を介抱しようとしている男。血は止まることを知らず、次第に身体が冷たくなっていく。
「もし、」
死にかけの男は言う。
「もし、お前だけでも無事に帰れたら、俺の、大事な、む、すめに、ぬいぐるみを」
「ああ、オーケーだ。」
男は目を開いたまま、息をしなくなった。
「畜生!」
残された男の闘いは終わらない。

人間同士で何故戦うのか?
ちっぽけで無意味な命に、僕は眩暈が止まらなくなった。
貴方が言っていたようにそんなに人間は愚かなのだろうか。

………

I'm Here
ここにいるよ


「春になったら、パパはかえってくるっていってたね。」
白い
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