鏡の仮面劇/ただのみきや
返り ゾッとする
一杯のカタルシスの中
溶けることもなく残留した何か
忘備録 ?
思考に間をもたらすもの
熱い唇なのか
冷たい刃物なのか
判別すらできないような
沈黙から嘆息へ その一瞬の
底なしの間
?
仮面をつけることで本性を現わす人もいれば
自分をつけることで仮面を体現する人もいる
あるいは反対に
それではあの絵を朗読してご覧なさい
実況でも解説でもありませんよ
木は風によって語るのか
風が木をもって語るのか
さざめきは葉のものか風のものか
きらめきは葉のものか光の
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