鏡の仮面劇/ただのみきや
 
ため
選手を自分と同一視したまま月日を重ね

理解しているつもりでいるから
理解されて当然だと思っている





斜陽 二

あなたの胸で光が安らいでいる
悦びと哀しみの一葉の震え
わたしの指はただブローチに触れただけ
愛に遺言は必要だろうか
言葉は意味より紅葉している
老いた体に子どものまま取り残されて
仰ぐ空
遠く去る一羽の鳥の影を求め
最初から最後まで思い通りにいかなかった
穏やかに刺殺して
光は行き場のない者を選別する





ワイン

きみが溶ける美しい闇
透明な囚われの中で傾いて
あの日没の海のよう


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