ダイスを転がそうと棒を倒してみようと、それで行く道が決まるわけじゃない/ホロウ・シカエルボク
 
ら」随分と誇らしくそう言うんだ、カッコいいことでもしてるみたいにさ…ま、下らない比喩はこれぐらいにしておこうかーどう頑張っても今夜は眠れないって、早いうちから分かる夜がある、下手をしたら朝起きた瞬間にそれが分かるときがある、そんな時俺はこうして適当な服を着て、真夜中をうろつく、人間の最低ラインで出来ているこの掃き溜めを素面で歩いているのは俺ひとりさ、男も女もそこいらで痴態を張り合っている、そしてその誰もが幸せでたまらないという表情をしている、もうそんなものを見ても腹も立たなくなった、豚小屋のそばで臭いと不平を言うのは間違いだ、そうだろ?勘違いしないでほしい、なにかを批評したいわけじゃない、小さな世
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