ダイスを転がそうと棒を倒してみようと、それで行く道が決まるわけじゃない/ホロウ・シカエルボク
な世界に反旗を翻したいわけじゃない、俺はただ真夜中を歩きたいだけさ、でもその話をしようとすると、どうしても最初に目に入るのはそんな連中だからね…面白い話があるよ、もう何年前になるのかな、二人の詩人と一緒に朗読会をして、打ち上げでこんな風に夜の街を練り歩いたんだ、晩飯を食って、少し飲んで、最後にコーヒーでも飲みたいねって、ファミレスみたいなものを探してしばらく歩いたんだけど、そんな店はひとつも見つからなかった、酒を出す店ならごまんとあるっていうのにね、それでも最近は減ったほうだけど…で、結局見つからなくって、そのままお開きにしたんだよ、詩人なんかが住む街じゃない、そんなことは分かってる、何十年も前か
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