三篇の未詩/道草次郎
 
ものをしらない
そのむなしさをしらない

ぼくは
ほんとうに何もしらないのだ
ぼくは
どうすればいいのだろう
この事態を前にして
このたいへんな出来事の入口で

詩らしく形を整えると
この気持ちはさらさらと消えていきそうだ
こういう時
どうするのが一番なのだろう

あなたは悩んでいるかもしれないが
ぼくだって…

この詩の荷物をいったん預けてもいいかな
詩を書くものだけが
詩を書き継がねばならないわけではないはずだろう
この詩を見つけたあなたも
この詩に列席してみてはどうかな

やはりいやか
むろんだね
しかしこれがこの詩の目的とするところだ

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