詩と詩文(秋の感慨)/道草次郎
く熱く。
とりあえず、これは散文ではない。これは詩文である、なぜなら先に挙げた幾篇かの詩の生成にまつわるささやかな物語がこの詩文に相違ないから。
十年以上前にやっとの思いで手に入れた小冊子の中に次のような文章を見つけた。
「何が問題なのかが完全にわかったら、その問題は解決されている。したがって解決とは問いの真に明晰な把握にほかならない。」アラン著『四季による51のプロポ〜「移動しない旅」より』
それを運命と言ってもちっとも大袈裟でない気はする。過去のぼくが十年の歳月を見越して現在にこの本を送ったのか、それとも歳月の持つ本質がたんにこうした形で表れただけなのか。たしか
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