袖すり合うも/六九郎
 
に通った、やんちゃで乱雑な日々…
空気の抜けたサッカーボールと履き古した上履き…
卒業以来連絡すらとらずに…
西田君は私の遺体を黙って見下ろしている。
彼は私の太腿を2度、力任せに蹴りつけ部屋を後にする。

喪服姿の女が前に立つ。
竹村さん…
初めて付き合った女性…
ノートの切れ端を小さく折りたたんだ手紙と映画の半券…
お互いにぎこちなさが抜けないままに終わった未熟な二人…
竹村さんは靴でいきなり私の腹部を踏みつける。
私の真っ白な経帷子に、靴痕が残る。

次は着物姿の女。
母さん…
自分の身体を痛めて私を産み育ててくれた女性…
いつも自分のことよりも私のことを考
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