殺人ドローン VS 森の動物たち/阪井マチ
 
はなく、獣の頭が覗いていた。狼だ。いや大きすぎるが狐かもしれない。狼だとしてもとにかく大きすぎる。しかも一頭では収まらず、穴の縁をぐるりと囲むように何本も鼻面が突き出している。多量の涎が穴の中へ滴り落ちる。
 このまま喰われて私は死ぬのかと思ったが、時を置かず耳慣れたプロペラの音が聞こえてくる。空中に装置が見えた! 一瞬それは困惑したかのように揺らいだが、すぐに銃口をくっと私に向けた。
 撃たれる! と思った瞬間、耳をつんざくような咆哮が上がった。巨大な狐が(やはり狐だった)驚異的な跳躍で装置に襲い掛かったのだ。装置も応戦する。私を殺す妨げになるものは排除するよう原則付けられている。銃声と吠声
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